三体 カウントダウン、紅岸、世界の破壊者、我が主よ、審判の日、星群計画、前進あるのみ、面壁者

ヒューゴー賞を受賞した中国の劉慈欣の小説「三体」を、映像化した作品です。
ただ内容は、難解な原作よりわかりやすくなっているようです。

「カウントダウン」「紅岸」。
ロンドンで、次々と科学者が自殺する事件が起こります。オックスフォード大学で
物理学を学んだ仲良し5人組であるジン、オギー、ソール、ジャック、ウィルの恩師
も、同じように自殺してしまいます。不審に思ったジンは、真相を探ろうと恩師の
母親の元を訪ねますが、そこで彼女は死の直前VRゴーグルを身につけゲームに興じ
ていたという話を聞きます。ゴーグルを譲り受けたジンが試しに被ってみると、不
思議な世界が現れます。ナノテクノロジーの科学者で、スタートアップ企業を経営し
ているオギーは、目を開くとまるで目の前にスクリーンがあるかのようにカウント
ダウンの数字が表示されるようになります。


「ゲーム・オブ・スローンズ」のサム役のジョン・ブラッドリー、同じくリアム・カ
ニンガム、「ドクター・ストレンジ」のベネディクト・ウォンなど脇を固める俳優さ
んはなかなかです。おもしろくなりそう。

「世界の破壊者」「我が主よ」。
VRゲームにはまったジンとジャックは、順調に歴史を進みレベル3をクリアします。
どうやらVRの世界は太陽が3つある国で、文明が発展する恒期と生命がほぼ絶滅す
る乱期があるということがわかります。そのため時の権力者は次にいつ乱期が来る
かを予測するため、いろいろな天文学者や占い師に調べさせていました。ジンとジ
ャックの役割は、どのレベルでも権力者に意見を述べることで、登場する少女を助
けることでした。しかしどのレベルでも少女は死に、文明は滅亡します。


「審判の日」「星群計画」。
マイク・エバンスたちが乗る船が、定期的にパナマ運河を通ることを突き止めたト
ーマス・ウェイドは、ジンの恋人ラジをイギリス軍からスカウトして機密情報を回
収する部隊を作ります。そして嫌がるオギーに命令して、発明したナノテクノロジ
ーのワイヤーを使った作戦を考えます。またカウントダウンが始まるかと思われま
したが、研究所のスイッチを押してもそれは再現されませんでした。作戦は成功し
ますが、船は切り刻まれて乗船者は全員死亡。マイク・エバンスと神とのやり取り
は回収され、逮捕されている葉文潔に渡されます。


「前進あるのみ」「面壁者」。
ウェイドは200年後に三体人と接触するため、コールドスリープ（冷凍冬眠）の技
術を確立します。階梯計画は進みますが、三体人に興味を持って拾ってもらうため
には有人にする必要がありました。しかし核兵器が300しか用意できず、軽量制限
のため重量2kgの超優秀者の「脳」しか運べないことになります。三体人が脳から
人を復元できることを期待しての挑戦です。オギーはウェイドの手段に納得が行か
ず、ジンの元を去りナノセイルの技術を世界に公開します。余命わずかなウィルは、
ジャックの遺産で購入した星をジンに内緒で贈ります。


おもしろかったです。原作は読んでないけれどたぶんすごく難解だと思うので、ち
ょうどよく映像化されていて助かりました。原作者が中国人ですが、西洋的な考え
方とは違う発想があって斬新でした。宗教に縛られないせいかなぁ…。